亡くなった方がアメリカに資産を持っていた場合の相続手続き
亡くなった方がアメリカに資産を持っていた場合
亡くなった方が日本在住の日本人であっても、アメリカに銀行口座、証券口座、米国株式、投資口座などを持っていた場合、日本国内の相続手続きだけでは完了しないことがあります。
特に、米国の証券会社や金融機関に資産がある場合、相続人であることを証明する書類、死亡証明、遺産分割に関する書類、税務関係書類などを英文で提出する必要が生じることがあります。
また、一定額を超える米国所在財産がある場合、IRS(Internal Revenue Service:アメリカ内国歳入庁。日本でいう国税庁)への手続きとして、Form 706-NAの提出が必要になることがあります。
よくある米国資産の例
アメリカにある相続財産として、次のようなものがあります。
- 米国の金融口座
- 米国株式
- 米国ETF
- 米国所在の不動産
特に近年は、日本に住みながら米国証券口座や米国株を保有している方も多く、相続発生後にご家族が手続きで困ってしまうケースがあります。
米国資産の相続で難しくなりやすいポイント
1. 日本の戸籍制度がそのまま通じない
日本では、戸籍謄本や除籍謄本により相続関係を簡単に証明できます。
しかし、米国の金融機関にとっては、日本の戸籍制度がなじみのない制度であるため、英文翻訳や相続関係の説明書類を求められることがあります。
2. 英文の死亡証明が必要になる
日本の死亡届記載事項証明書、死亡診断書、戸籍上の死亡記載などをもとに、英文の死亡証明書類を準備する(翻訳する)必要がある場合があります。
提出先によっては、翻訳証明、公証、アポスティーユを求められることもあります。
3. 米国金融機関独自の対応が必要になる
米国の証券会社や銀行では、相続手続きにあたり、譲渡証明書(Transfer Certificate)、W-8BEN、口座開設書類、税理士や弁護士の意見書などが必要になる場合があります。
4. Form 706-NAの検討が必要になる
Form 706-NAは、非居住・非米国市民の被相続人について、米国連邦遺産税の計算に使用されるフォームです。IRSの説明では、Form 706-NAは非居住・非米国市民の被相続人に関する遺産税等の計算に用いられるものとされています。記入には、米国の相続法についての知識や、日米租税条約についての知識が必要となります。弊所では、アメリカの税法に詳しい弁護士とも連携しております。
米国所在財産の価額、被相続人の居住・国籍、日米租税条約の適用可能性などにより、必要な対応が変わります。
5. 手続きに時間がかかる
米国金融機関やIRSが関係する手続きでは、確認に時間がかかることがあります。
特に、IRSに申告をしたのち、譲渡証明書(Transfer Certificate)が発行されるまで、半年~1年半ほどの時間を要することがございます。
また、書類の不備や翻訳・認証形式の違いにより、追加提出を求められることもあります。
当事務所でサポートできること
当事務所では、亡くなった方がアメリカに資産を持っていた場合の相続手続きについて、次のようなサポートを行っています。
- 日本の戸籍・相続書類の英訳
- 翻訳証明書の作成、公証・アポスティーユ取得サポート
- 米国金融機関宛ての英文メール作成
- 米国金融機関への提出書類の準備
- 税理士・弁護士との連携
- Form 706-NAの提出サポート
- 譲渡証明書(Transfer Certificate)の発行サポート
なお、税務申告や米国法に関する判断が必要な場合には、税理士・弁護士等の専門家と連携しながら進めます。
当事務所は、アメリカの法律に詳しい弁護士と連携しており、必要に応じてお客様にご紹介しております。
ご相談時にご用意いただきたい資料
初回相談の際には、可能な範囲で次の資料をご用意ください。
- 亡くなった方の氏名・国籍・最後の住所
- 死亡日がわかる書類
- 相続人の情報
- 米国資産の内容がわかる資料
- 証券会社・銀行から届いたメールや書類
- 遺言書
- 遺産分割協議の状況
- すでに提出済みの書類
- 米国金融機関からの追加依頼内容
すべて揃っていなくても問題ありません。
まずは、現在どの段階で手続きが止まっているのかを確認し、必要書類を整理します。
このような方はご相談ください
- 亡くなった親族が米国証券口座を持っていた
- 米国の金融機関から英語の書類提出を求められている
- 米国株や米国ETFの相続手続きがわからない
- Form 706-NAが必要かどうか不安
- IRSや米国金融機関とのやり取りに困っている
- 戸籍や遺産分割協議書を英訳する必要がある
- 公証やアポスティーユを求められている
- 日本とアメリカの両方が関係して、何から始めればよいかわからない
米国資産の相続は、早めの確認が大切です
米国資産の相続では、日本側の相続人確定や遺産分割だけでなく、IRSへの申告とTransfer Certificateの発行、米国金融機関の内部審査、本人確認、税務書類、翻訳・認証書類など、複数の手続きが重なります。
特に、提出先が求める形式と日本側で用意できる書類の形式が合わない場合、手続きが長期化することがあります。
当事務所では、日本のと米国機関の橋渡しを行い、相続人の方がスムーズに手続きを進められるようサポートいたします。
FAQ
Q. 日本人が亡くなり、米国株を持っていた場合も国際相続になりますか?
はい。
亡くなった方や相続人が日本人であっても、米国株や米国証券口座などの資産が含まれる場合、国際相続として対応が必要になることがあります。
Q. 戸籍謄本をそのまま米国の証券会社に提出できますか?
提出先によりますが、多くの場合、日本語の戸籍謄本だけでは足りず、英文翻訳や翻訳証明書を求められることがあります。
場合によっては、公証やアポスティーユが必要になることもあります。
Q. Form 706-NAとは何ですか?
Form 706-NAは、非居住・非米国市民の被相続人について、米国連邦遺産税等を計算するために使用される米国IRSのフォームです。IRSは、非居住・非米国市民の被相続人の米国所在財産等が一定基準を超える場合に提出が必要になると説明しています。
Q. 米国の証券会社から英語の書類が届きました。内容確認と返信文の作成だけでも依頼できますか?
はい。
米国金融機関から届いたメールや書類を確認し、どのような書類が求められているのか、どのように準備すべきかを整理いたします。
